「事業再生ADR」は上場企業のコスモスイニシアや日本アジア投資が利用したことで一躍注目を集めた『私的整理』の手続きです。

一般的に私的整理は、裁判所の関与がないために自己破産や民事再生といった法的整理よりも風評被害が少なく、迅速かつ費用がかからないというメリットがあります。

その一方で、債務者が財産を隠匿したり反社会的勢力の介入を受けやすいなどのデメリットもあります。

事業再生ADRは、私的整理の手続きに公正中立な第三者機関を関与させることにより、私的整理のメリットを生かしながら、債権者・債務者間の利害をより公正に行わせようとする手続きだと言えるでしょう。

現在は、「事業再生実務家協会(JATP)」が政府から第三者機関として認定されています。

ADRとは:裁判外紛争解決手続(Alternative Dispute Resolution)のこと

       裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律では、
       「訴訟手続によらずに民事上の紛争の解決をしようとする当事者のため、
       公正な第三者が関与して、その解決を図る手続」とされています。

4月2日にロンドンで開かれるG20で貿易保険制度の強化について合意する見通しとなった。

金融危機で減速する貿易取引をてこ入れするため、企業や金融機関のリスク軽減を支援する。

各国の貿易保険機関は損失のてん補率引き上げなどに動いているが、

一段の業務拡大へ各国共同で基金を創設する案も浮上している。

WTO(世界貿易機関)は2008年11月時点で約250億ドルの貿易資金が全世界で不足していると推計したが、現在は1000億ドル超の資金不足に陥っているとしている。

世界銀行によると、2009年の世界の貿易規模は1982年以来のマイナスとなる見通し。

このため輸入代金の支払いを保証する貿易保険に企業や金融機関の期待が高まっている。

CDS : Credit Default Swap

  デリバティブ(金融派生商品)の一種

投資家が国家や企業などの発行する債券を購入する際に、

第三者に保証料を支払って債務者(国)が破綻するリスクを引受けてもらう契約のこと

AIGの破綻の引き金となった。

2009年2月6日

マンション分譲大手の日本綜合地所は5日東京地裁に会社更生手続開始を申し立てました。

関連会社を含めた負債総額は2142億円。

今年に入って最大の倒産となります。

会社更生手続では、現経営陣は交代することが原則ですが、

今回、日本綜合地所は現経営陣が更正手続に関与する「DIP型」と呼ばれる会社更生手続を目指しています。(クリードに続き2例目) 

DIPとは「Debtor In Possession」の略で「占有継続債務者」と訳されています。

法的整理の申請後も元の経営者が経営権を保持したまま企業の再生を目指す手続きのことを指します。

私が今まで読んできた書籍等によると

民事再生手続 = 原則として旧経営者が経営権を持ちながら再建を目指す(DIP型)                                 

会社更生手続 = 旧経営者は交代。更生管財人が選任され再建を目指す

この二つの違いが民事再生会社更生の大きな違いとして挙げられていました。

しかし、【 会社更生手続 旧経営者交代 】というやり方が経営者の判断を遅らせ、
会社更生手続に入る決断を遅らせて傷口を広げるという問題点も指摘されていました。

裁判所は、'08年12月に下記の論文でDIP型会社更生手続の導入に本格的に方向を転換したのだとも言われています。

クリードと日本綜合地所はDIP型会社更生のリーディングケースであり、

今後の会社更生手続のあり方に大きな影響を与えていくと思われます。

会社更生事件の最近の実情と今後の新たな展開

【債務者会社が会社更生手続を利用しやすくするための方策 :

  DIP 型会社更生手続の運用の導入を中心に】

 東京地方裁判所民事第8部(商事部) : NLB(商事法務)895号掲載 (2008年12月15日)

景気の急速な悪化を受けて倒産防止共済への加入と貸付金が増加しています。

○倒産防止共済への新規加入件数は平成20年後半にかけて急増。

○特に平成20年12月の新規加入件数は前年同月の2倍以上に。

企業倒産の増加に伴い、共済からの貸付額も平成20年は平成19年に比べて約50%以上も増加しています。

(’08年1月〜11月の貸付額は約390億円)

業種別では、建設・製造・卸売業向けの貸し出しが大半を占めています。


金融機関の決算も厳しい状況が伝えられています。 

年度末に向けて資金繰りの厳しい状況が予想されます。

「緊急保証制度」などの活用も含めて事前の対策が必要だと思われます。

取引信用保険の契約高が急増しているようです。

損害保険ジャパンは前年度比30%増、

あいおい損害保険も20%程度の増収を見込んでいるそうです。

景気の急激な悪化を受けて、取引信用保険へのニーズが増えていると思われます。

取引信用保険サイトを立ち上げてから約2ヶ月ですが、

すでに何件かのお問合せをいただいております。

経営者の方の取引信用保険へのニーズの高さを日々実感しています。

ただ、この保険を積極的に販売する保険会社が限られていることも事実です。

また、保証枠などは保険会社によってそのスタンスは千差万別です。

もし、現在のお取引の損害保険会社が取引信用保険のお引受に消極的であったり、

お引受の保証枠についてご不満があるようでしたら、 

当社のような専門の窓口をご利用されることも是非ご検討ください。

【民間の損害保険会社と共同で貿易保険を引受ける制度が2009年度からスタート】

民間の保険会社が貿易保険(輸出取引信用保険など)を引受ける際に、

与信限度額を超えた部分を独立行政法人・日本貿易保険(NEXI)が引受ける仕組みを2009年度中にも導入する予定と新聞発表されました。

民間の損害保険会社の参入を促進し、サービスの向上を図ることを目的としています。

民間と共同で保険を実施することにより、リスクの高い途上国も対象とするなど輸出業者の利便性向上を図るとされています。

【三井住友海上のプチ取引信用保険値上げの動き】

三井住友海上が簡易版として販売している「プチ取引信用保険」が2009年1月から値上げされます。

今秋からの景気の落込みの影響で取引信用保険の保険金支払が増加したことを受けての措置だと思われます。

保険料は現状よりも2〜3割の値上げ幅になるようです。

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